SEILおよびSA-WシリーズはNTTドコモの3G(FOMA)サービスに対応するモバイルデータ通信端末を利用可能ですが、当該サービスは2026年3月末での終了が報じられています。
「FOMA」および「iモード」のサービス終了に関するお知らせ
ここでは各機種が対応するモバイルデータ通信端末における、3Gサービスの終了に関する対応について説明します。
なお、各モバイルデータ通信端末やモバイル接続サービスに関する詳細は提供元にお問い合わせください。
継続利用可能な機種
FS040U
対応機種:SEIL/X4, CA10, SA-W2, SA-W2S
FS040Uのファームウェアを V2.4.0 以上に更新する必要があります。メーカーサイトの情報を確認してください。
SEILおよびSA-Wシリーズでの対処は必要ありません。
UX312NC
対応機種:SEIL/X1, X2, B1, SA-W2, SA-W2S
LTEサービスのみを使用するようにUX312NCの設定を変更する必要があります。また、接続設定の変更が必要な場合があります。
対処方法の詳細は後述の「UX312NCの設定変更について」をご覧ください。
SA-W2L内蔵モバイルデータ通信端末
対応機種:SA-W2L
LTEサービスのみでの通信に対応しています。
SA-W2Lでの対処は必要ありません。
継続利用できない機種
- 510FU
- L-02C
- 120FU
これらの機種は3Gサービスの終了に伴い利用できなくなります。
UX312NCの設定変更について
UX312NCは3G/LTE両対応機種ですが、初期設定では3Gサービスへの接続完了を前提として3GとLTEを適宜切り替えるため、携帯電話キャリアの3Gサービスが終了するとモバイル接続ができなくなります
モバイル通信事業者の3Gサービス終了後もUX312NCを使用するには、UX312NCをLTE専用モードに変更する必要があります。
次のファームウェアバージョンでは、既定動作としてUX312NCをLTE専用モードに変更します。また、コンフィグでこの変更を無効化できます。
- SEIL/X1, X2, B1:ver.7.31
- dialup-device mdm[] device-option ux312nc-lte-only { enable | disable }
- SA-W2, SA-W2S:ver.5.52
- interface.ppp[].device-option.ux312nc-lte-only : { enable | disable }
無設定または有効に設定されている場合は、携帯電話キャリアの3Gサービス終了後にもLTEサービスを利用できます。なお、PDP ContextのCIDに関してコンフィグでの設定値によらずCID=1を使用します。
無効に設定(disableを設定)すると、3Gサービスが提供されるエリアで3GおよびLTEを利用できます。
※ SMFサービスでの利用時は、次の条件にすべて一致する場合は上記以降のファームウェアを使用しないでください。
- UX312NCを使用する
- コンフィグ自動取得可能な回線がモバイルのみ
- LTEエリア外
CID指定の確認
LTE専用モードのUX312NCはCID=1のPDP Contextを使用するため、CID=1にPDP Contextを書き込む設定が必要です。次のようなコンフィグパラメータが設定されているか確認し、異なる場合は変更してください。
- SEIL/X1, X2, B1
- dialup-device access-point add <name> ~ cid 1
- SA-W2, SA-W2S
- interface.ppp[].cid : 1
※ LTE専用モードを標準使用するバージョン(SEILシリーズ ver.7.31、SA-W2シリーズ ver.5.52)ではコンフィグのCID指定値によらずCID=1にPDP Contextを書き込みますが、これより古いファームウェアではコンフィグの指定通りのCIDに書き込みます。ファームウェアバージョンとUX312NCの設定保持状況によってコンフィグの意図と異なるPDP Contextで接続される可能性があるため、コンフィグでは明示的に1を指定しておくことを推奨します。
UX312NCの状態の確認
モバイルデータ通信端末のステータスは、"show status dialup-device" コマンドで参照できます。
mdm0:
Service Name : NTT docomo FOMA / Xi
Manufacturer : NCXX Inc.
Modem Id : UX312NC
Revision Id : LWDMJ01.1.2_M126 / v1.0.6
Serial Number : xxxxxxxxxxxxxxxx
Subscriber Number : xxx-xxxx-xxxx
SIM Status : READY
Signal Quality : 75.81% (Level 4)
Next Auto-Reset : Not scheduled
Connect Fail Count: 0 (threshold none)
PDP Contexts :
cid=1 PDP_type=IP APN=iijmobile.jp
cid=2 PDP_type=IP APN=iijmobile.jp
- cid=1 のPDP Contextがコンフィグパラメータの設定値と一致するか、および、ご利用のサービスが指定する値と一致するか確認してください。
- UX312NCは現在接続しているサービスが3GであるかLTEであるかの情報を取得できません。
※ PDP ContextはUX312NCのUX312NCの不揮発メモリに登録されるため、接続可能なPDP Contextが既に登録されている場合はコンフィグの指定と異なっても接続できますが、設定意図と異なるサービスへの接続を防ぐために確認してください。
SMFサービス利用時の注意
3Gサービスの終了後もUX312NCを使用してSMFサービス(SMFv1, SMFv2)を利用する場合は、3Gサービスの終了前にサービスアダプタのファームウェアを更新する必要があります。システム標準の動作で3G通信網を使用するバージョンを使用していると、3Gサービスの終了後はモバイルサービス経由ではシステム起動時のコンフィグ自動取得やファームウェア更新ができなくなります。
設定追加によりLTE接続のみに制限できるファームウェア
最新バージョンのファームウェアはシステム起動時にUX312NCをLTE専用モードに変更するため、LTEが提供されないエリアにおいてはUX312NCによるモバイル接続ができなくなります。その場合、他にインターネット接続手段が無い環境では、コンフィグやファームウェアの取得ができません。その状況になると通信機能による遠隔での復旧手段は無く機器交換が必要になるため、LTEサービスの提供状況が不安なエリアでは予めテスト用機能を持つファームウェアでのテストを実施してください。
次のファームウェアバージョンはLTE専用モードのテストができます。このバージョンではシステム起動時はUX312NCのLTE専用モードを無効化し、コンフィグパラメータの明示的な設定によりLTE専用モードに設定できます。これにより、システム起動時のコンフィグ自動取得が可能な状態を維持しつつ、LTE専用モードを設定した場合の動作テストが可能です。
- SEIL/X1, X2, B1:ver.7.20
- dialup-device mdm[] device-option ux312nc-lte-only enable
- dialup-device access-point add <name> ~ cid 1
- SA-W2, SA-W2S:ver.5.50
- interface.ppp[].device-option.ux312nc-lte-only : enable
- interface.ppp[].cid : 1
"ux312nc-lte-only {enable | disable}" は、上記バージョンで追加された設定機能です。 有効化するとUX312NCの動作をLTE専用モードに変更します。このバージョンではデフォルト設定が「無効(disable)」であり、3Gサービスが提供されるエリアでのみ3GおよびLTEを利用できます。
※ 上記バージョン未満でもデフォルト動作は同じです。動作の変更には上記バージョンが必要です。
有効に設定(enableを設定)すると、UX312NCはLTEのみ使用し3Gを使用しません。
(3Gのみ提供されLTEが提供されていないエリアではモバイル接続ができなくなります。)
携帯電話キャリアの3Gサービス終了後にLTEサービスを利用するには設定を有効化する必要があります。
また、LTE専用モードのUX312NCは、CID=1に登録されたPDP Contextのみ使用します。
(CID 1に適切なPDP Contextが設定されていない場合は接続できない可能性があります)
※ 設定の有効/無効はユーザコンフィグによって設定(変更)可能ですが、SMFモードでのコンフィグ自動取得の際は既定値による動作(無効・3Gサービスが必要)となることにご注意ください。